急成長にともない必要となった、組織づくりと部門間連携

 当社は、創業34年を迎える札幌の住宅メーカーです。父がたった3人から始めた小さな会社で私は24年前に入社しましたがやがて役員として会社の運営を担う立場になりました。
 会社が大きく変わっていったのは、新社屋に移転した7年前あたりから。社員が増え
一気に50人ぐらいの大所帯になるとしっかりとした組織づくりが急務となりました。しかし急ごしらえの組織には課題がつきものです。総務・設計・工事・営業といった各部門をどのように機能させ会社の発展につなげていったらいいのか。
 当時は組織といっても名ばかりでしたから
各部が業務をこなすだけで連携に乏しく組織間のコミュニケーションの溝を埋められずにいました。そんな試行錯誤の中でご縁ができたのが森山先生でした。

札幌・東京の距離を感じさせず、親身で厳しい幹部研修

 森山先生のMBLManagement by Learning®研修がスタートしたのは2012年。東京を拠点に活動される森山先生ですが、フットワークが軽く札幌に月1回ずつお越しいただけることになり、私を含む幹部6名を対象にした、幹部研修が始まりました。

 様々なテーマでの研修はもちろんのこと、実務に踏み込んだアドバイスを頂くことも多く一般的な研修の枠組みを超えて、それぞれの状況に即して、伴走して頂くスタイルで研修が進んで行きました。
 時には厳しい指摘をされることもあり最初の頃はずいぶんと悔し泣きをしていたのも正直なところです(笑)。ある程度の立場になれば、誰も厳しいことを言ってくれなくなりますので。
 例えば部下との関わり方について私自身の姿勢を指摘されることが多くて見透かされるのが怖いと思ったこともあります。また研修の内容を幹部全員が共有していたので森山先生と各部長のやりとりを見て多くのことに気づかされました。

経営者だからこそ、自ら人間力を高める努力が必要

 研修を受けて半年が過ぎたころ、ふと気づくことがありました。それまで私は「研修」を業務外活動ととらえ日々の「仕事」とは別物と考えていましたがむしろこれらは切り離すことのできない一つのものだと気づいたのです。大事なのは「自分の仕事の完成度を上げるために研修で何を得るべきか」という視点。自ずと私自身の取り組み方が変わっていきました。
 経営者である私の仕事は「会社を維持発展させていくこと」が最終目標ですがそれまではゴール設定が低かったせいか森山先生にはよく「手段が目的化している」と言われました。いまでは何かを企画・実行するときときどき振り返って「本来の目標とずれてきていないか」を点検し、自分で軌道修正をするようになったと思います。
 仕事は一人ではできないからこそ経営者は人間力を高めることが重要だと思います。振り返れば、以前の私は会社の方針を部下に押しつけ「なぜできないのか」と責めることが多かった様に思います。でも人はそれでは動いてくれないのです。まず自分が変わらなければ。心の底からそう思えるようになったことも研修の成果だと思います。

企業変革の推進力を生んだ「で、どうするの会議」

 幹部研修の成果は組織づくりにも表れてきました。以前は、会社全体の問題点が組織間の連携にあることを認識していても幹部がそれを口に出せば面倒になるので議論を避けていたように思います。しかしいまは各部長が問題点を顕在化させて議論し改善のための提案が各部から挙がってくるようになりました。個人の人間力が上がることによって部全体の能力が底上げされたと感じています。
 そうした社内変革を生んだ取り組みの一つが「で
どうするの会議」。森山先生が名前をつけたこの会議は組織間の溝を埋めることを目的に2014年から取り組んでいます。
 以前は
会議で問題点が出てもそれをどう解決するか結論が出ないまま終わることがありましたがこの会議ではきちんと答えを出すことをゴールとしまずは月1回ずつ取り組むことにしました。ただしすぐに共有したほうがいい議題も出てきて現在は小さい議題を扱う週1回の会議を補足的に設けています。これも部長の提案から生まれたしくみです。

人材育成こそ、企業の土台を強くする近道

 とても厳しい研修でしたが、振り返ってみると自分でも気づかないうちに、ずいぶん成長することができたと感じています。またうまく表現できないのですが人が仕事を通じて成長することって多分こういうことなのかな、という感覚を掴めたようにも思います。
 私は今
次の世代を育てることに注力していますが自分自身のこの感覚を頼りにしながら個別の状況に応じた関わり方をするように心がけています。自分自身が成長できたからこそどんな人でも必ず成長できるということだけは確信を持って断言できます。
 会社を発展させようと思えば
人材育成に力を入れるほうが確実に結果が出る。これだけ人が増えているにもかかわらず業績も利益も上がっているということはいま進めている取り組みは間違っていないと思うのです。